米国での大型倒産がリーマンショックルを上回るとの予測 日本でも米国でも、COVID-19の惨憺たる被害にも関わらす、株式市場は堅調である。特に本では、上場企業のCOVID-19に起因するデフォルトは1件も生じていない。ところが、あめりかでは、来月以降、倒産の「Big Wave」が来るのではないかとの予測が示された。 ニューヨーク大学のアルトマン(Altman、Edward I)は信用リスク分析で著名な研究者である。彼がカリフォニア大学(UCLA)に提出した博士論文以来一貫して、デフォルト予測モデルからデフォルトをめぐる法制度まで、信用リスクに関する多方面の研究をおこなってきた。 かれは、最近、NY Timesのインタビュー( A Tidal Wave of Bankruptcies Is Coming ) において、今年は負債総額10億ドル(1,100億円)以上の大型の企業の倒産が続出するとの予測結果をあきらかにした。アルトマンによると、2009年のリーマンショック時には負債総額が10億ドルを超える倒産は49件であったのに対し、ことし2000年にはその数が66件にもなると明らかにしている。既にHertzレンタカーなど著名な上場企業の倒産が始まっている。彼の予測結果は、インタビューでは明示されていないが、ニューヨーク大学のビジネススクール(Stern)で、彼が設立したソロモンセンターでのモデルから算出されているとおもわれる。 日本では、毎週示しているように、上場企業の株価が意味するデフォルト確率は極めて低い水準をを保っている。米国における大型の倒産の波が、日本にたいしどのようにに影響するか、注意すべきであろう。
COVID-19によるパンデミックリスクをファイナンス理論や保険経済学の立場から考えていきます。コロナショックが資本市場や企業財務にどの様な影響をあたえたのか、どのように立ち向かったのかを考えていきます。